給与明細を電子化するデメリット
給与明細を電子化するデメリット
給与明細の電子化は、従業員と企業の双方にメリットをもたらしますが、デメリットがないわけではありません。
まず従業員側から見た場合、個人情報流出が懸念されます。
インターネット経由で明細データを交付する以上、人的なミスや外部からのハッキング、パスワードの漏えいなどによって個人情報が流出する危険を伴います。
一方の企業側から見たデメリットとしてまず挙げられるのは、必ず従業員の同意を得る必要があることです。
給与明細の電子交付は、2006年度の税制改正によって認められるようになりましたが、電子データで明細を交付するには従業員の承諾が必要です。
給与明細の電子交付は全ての従業員にメリットをもたらすとは限らず、従来のように紙での受け取りを希望する従業員が出るケースも十分に考えられますが、紙での交付を求められた場合企業側は断ることができません。
加えて、給与明細電子化システムを導入すると、初期費用やシステム利用料といったコストが発生します。
そのため、システム導入・運用に必要なコストと、システム導入により削減できるコストを天秤にかけた上で導入を検討することが大切です。
給与明細の電子化に反対という場合について
昨今のIT化の流れもありますから、給与明細は電子化、つまりパソコン上で閲覧する方法により交付することもできるようになっています。
ただし条件があり、従業員から同意を得た上でなければなりません。
今の時代ですから、このような電子的な交付に難色を示すような社員はあまり多いとは思われませんが、もし反対する社員がいた場合、その人に対してはどのようにすれば良いのでしょうか。
もちろん説明説得して納得を得られれば問題はないわけですが、どうしても考えが変わらない場合、無理やり電子で交付するとか、あるいはそもそも交付しないといったことはできません。
そんなことをすると会社側が違法行為をしていることになりますから、その社員に対しては従前どおり給与明細を紙で交付しなければならないのです。
これはあくまでもその社員だけに限ります。
一人でも反対する人がいれば、会社全体として給与明細を電子化することができないといったような理不尽なことはありません。